子どもの風邪

2016年1月17日(日)に、うちの8才の息子が41℃の高熱を出しました。

その時実際の、完治に至るまでの治療経過を掲載します。


1月17日(日) 

お昼ご飯を食べているとき、8歳の息子の様子がおかしいなと思い熱を計ると37度9分。熱はそのままぐんぐん上がり、夕方には一時41℃(最高値)に達しました。

 

世間一般にはお子様が40℃以上の熱を出してしまうと慌ててしまう方もいらっしゃるようですが、熱は治癒反応なので私たちは慌てませんでした。

 

また脳への後遺症を心配する方もいらっしゃるようですが、ウイルスによって脳に後遺症が残ることはあっても、熱そのものによって後遺症が残ることはありません。

ましてや、薬で熱を下げる必要はないと私は考えます。

生理機能の働きによる治癒反応を解熱剤でコントロールしすぎると、かえって悪い結果になることが多いため。

 

ただ、熱が上がると不快な症状が続いてゆっくりと休めないので、頭や首などを冷やしました。

風邪にはまず安静が一番。

ウィルスと戦うことは非常事態ですから、体力を消耗します。

ですから、余分なことにエネルギーを使わず、ウイルスとの戦いに専念しましょう。

 

時々、テレビで「風邪薬を飲んで会社に行こう!」という類のCMが流れますが、ほかっといても治ってしまうような体力のある人ならまだしも、普通以下の体力の方は病気が悪化し、結果的に不調が長引くことになりかねないのでやめましょう。

それに、風邪の症状をわずかに抑えられても、治ったわけではないので、風邪を周りにどんどんうつしてしまうことになります。

 

2番目に大切なのは、水分と栄養の摂取の仕方。

発熱すると体内の水分をどんどん失いますので、子供が飲みたがる分だけ、クマザサエキスを少量混ぜた常温の麦茶を、都度用意して飲ませてあげました。

 

水分を補給し排出していけば、熱は自然に下がっていきますし、クマザサエキスを混ぜることによって腸内環境が整い、免疫力をアップさせる効果も期待できます。

 

食事は、食欲がないときは無理に食べさせず、塩を加えたおかゆが一番。あと嫌いでなければ、梅干し(添加物なし)を一緒に与えるのもいいです。

 

3番目に大切なのは薬の選び方。風邪の治療における優先順位は1:安静、2:水分と栄養、3:薬です。

 

 息子には毎食後、以下の薬を飲ませました。

  自然治癒力を上げる漢方薬 2カプセル

  熱を身体の外に出す漢方薬 2錠

  抗炎症作用の漢方薬           2錠

 

風邪薬という類の薬は最後まで使わず、回復を後押しする薬のみにしました。

ちなみに、もしもインフルエンザや新型コロナウイルスであっても、治療法は変わりません。

1月18日(月) 

朝起きてきた息子の第一声が、「あれ?もう治った!(だからテレビやゲームしていいよね♪)」でした。

熱を測ると確かに36℃台まで下がってましたが、まだ顔を見ると完全に治ったとも言えませんし、まだ熱があがる可能性は十分あります。

「昨日の時点で今日学校は休みにしたから、テレビやゲームはまだ禁止。寝ときなさい。」と言いました。

しかし、当人はおとなしく寝てくれず、漫画を読んだりしてました。

昼頃、熱を測ると一旦38℃台まであがりましたが夕方は平熱。

症状は目に見えて回復したので様子見。

 

1月19日(火)

もうすっかり治ってましたが闘病の疲れを考慮し、かつ感染を防ぐため、もう1日だけ休ませました。

朝のうちだけ少しお腹の調子が優れなかった様子。

しかし昼にはもう自由にテレビを見始め、さらに宿題をやりたくないとごねてました。

「風邪のときは、宿題やらなくてもいいんだよ」と嘯く息子。「でも、元気なんだからやりなさい」と言うと、しぶしぶ届けられたプリントだけはやってました。

 

1月20日(水) 

この辺りで今年初の積雪の日でしたので「車で送っていこうか?」と声をかけましたが「自分で歩いていく」と言登校。学校でも元気に雪遊びをしていたそうです。

咳に移行しなかったため、治療終結。

 

今回はあくまで順調に治った例です。

基本的に、風邪やインフルエンザは病院に行かなくても治りますが、症状の経過は様々。

とくに、うちの子より小さなお子様やご高齢の方はデリケートなので、逐一病状の変化に気を配り、もし様子がおかしい(意識混濁、けいれんや嘔吐が続く、等)と感じたら速やかに受診しましょう

 

また、漢方では病の状態に「陽病と陰病」という考えがあります。

陽病は病気と戦うために熱や不快な症状を表す状態で、陰病は体力を失い体が冷え、病気と戦うことができない状態です。

怖いのはこの陰病で、例えば風邪が長引いた後に、いつまでも微熱が続く(それなのに寒がる)、一日中だるそうにしている、おしっこの回数が多い、食欲がほとんどない、などの症状がみられると、それは体が衰退していて危険な状態です。

肺炎など他の重い病気に移行している可能性もあります。

 

そのようなとき、体に負担をかけるタイプの薬を使うのは大変危険ですから、体を温め、体力を回復させる薬を与えることが決まりとなっています。