皮膚は内臓の鏡

今年の夏、一つうれしいことがありました。

毎年、自分の顔に出る吹き出物が、出来なくなったのです。

 

例年、春からだんだんと暑くなりますと、白いポツン、赤いポツン。

出来てしまった吹き出物は、漢方の軟膏で対処するも、そもそも出来なくするまでには至りませんでした。

思春期の頃はニキビがたくさん出来ましたが、これと言った特効薬もなく。

思春期を過ぎても、吹き出物がしょっちゅうできて、顔に赤い跡が残るので困っていました。

 

ところが今年、ある漢方薬の服用を続けてみたところ、出来なくなりました。

ちなみに、生活自体は全く変えていません。食生活はいつも通り。

早く寝るようにしたとか、運動を頑張ったとかいうこともなく、例年と変わらずだらけた生活を続けておりました。

加えて今年は猛暑続き。

 

にも関わらず治すことが出来たことで、漢方薬の効力を感じると同時に、それまで長らく自分の症状を治せなかったことで、漢方薬の難しさを思い知らされました。

皮膚病の漢方薬選びは難しく、特に大人のアトピー等は漢方薬やその他の方法も試したけどダメだったという方も多いようですが、きちんと正しいものを選んで続ければ、必ず良い結果が生まれます。

 

先日は「水虫の薬ある?」と男性の方が入って来られて、どんな感じか見せて頂いたら、これまで診てきた水虫とは違い、足の甲から足の裏にかけて、痛風の酷い状態のように真っ赤に腫れ上がっていました。でも、ご本人様は「痒くも、痛くもない、ただ歩きにくい」と。

 

これはまず原因を知るために、皮膚科に診てもらった方が良いのではと、お答えしましたら、「一応行ったんだけど、予約制で診てもらえなかった」とのこと。

皮膚科が混んでいることは耳にしていましたが、今は予約制なのですね。私自身は皮膚科は一度も行ったことがなく、同じく混んでいると聞く眼科も、小学生の時にものもらいが出来たとき以来、全く足を運んでいません。

縁がない為、病院は外から眺めるだけですが、専門外来など新しい病院があちらこちらに出来るにも関わらず「予約がとれない」と聞くと、なんだか昔よりも病気の人が増えているのかなと思います。

 

話を戻しますと、先程の例は普通の水虫の状態ではないので、市販の水虫薬を塗ってもらっても治りません。

軟膏を塗った上で、内服薬も必要です。

まずは、炎症を抑える漢方薬を。落ち着いてきたら肝臓に効く薬を。

皮膚症状は肝臓の状態をまず疑います。

蕁麻疹等も肝臓が弱ると出ます。

 

元々丈夫だけれど肝臓に無理をさせる人と、元々体力の無い人がいます。   

私は後者で昔から皮膚が弱いですが、漢方薬を飲んでいる今は調子がいいです。

 

また、先日若いお嬢さんが、「自分ではないけど、」と、スマホで撮ったお母さんの写真を見せてくれました。

見るとまぶたに白いポツポツが。

「治りますか?」と聞かれたので、二つ返事で「治ります」と答えました。

 

まぶたのポツポツの原因は、腸内できちんと溶解されなかった余分な脂が、巡り巡ってまぶたに溜まっているからです。

ですから、その脂をきちんと溶解する胆汁製剤を服用すれば、自然に消えていきます。

ただ後から聞いたところ、胆嚢を既に取ってしまっているとのことでしたので、オルスビー錠だけでは結果はすぐには出ないかもしれません。

また、その方に「乳製品を摂り過ぎないように」と言い忘れてしまいました。

脂肪と聞くと「肉?」と考えがちですが、現代人は肉や魚以外の脂肪を摂りすぎています。

加工食品やパンに含まれる植物油脂、弁当や外食に多い揚げ物、スイーツ類全般、クリームを盛った飲み物、あげく体に良いと乳製品を積極的に摂りすぎ。

脂肪分が溶解しきれず血液が粘り、諸々の病気に。

 

また、これから寒くなると、心配になるのは「肌の乾燥」。

特に女性の方や高齢の方は特に気をつけなければなりません。皮膚に送る栄養が不足したり、血流が滞ることで、皮膚は弱くなります。

乾燥だけでなく、シミやシワ、イボ等も<栄養+血流>不足が原因です。