9月、ここ東海地方にも台風が何度かやってきましたが、台風の被害に遭われた方はいらっしゃいますか?
私の家の周りは何も問題なかったのですが、台風が再接近したその日の夜は、なぜか全く寝付けない感じがありました。
眠りを邪魔するほど雨風の音がうるさいとも感じなかったのですが。
これは早く薬の力を借りた方が良いと考え、気持ちを落ち着かせる漢方薬を服用しました。
そのあと呼吸を整えたり体の力を抜いたりすることで眠りにつくことができました。
その日は他に特別なことはなく、ただいつもと違ったのは、台風が近づいていたことだけ。
自分自身はそのことにストレスを感じている認識はなかったのですが、どうやら眠りを妨げた要因は台風だったようです。
「気象病」という言葉は今や当たり前になりつつありますが、台風など大きな気象変化によって、私たちの心身は大きな影響を受けます。気圧、湿度、温度、それらの急激な変化は、内耳や神経にストレスを与えることでめまいを起こしたり、浮腫ませることで痛みやだるさを起こしたり、冷やすことでしびれや胃腸障害などを起こします。
また、徐々に訪れる季節の変化。
秋という季節は呼吸器系や皮膚にダメージを与えますが、それだけでなく気持ちの部分にも影響があります。
五臓の図をご覧いただくと、「肺」の右下に(悲憂)と書かれていますね。
これは、五志といって感情を表します。
ですので、秋になるとこれといった原因がなくても、憂いや悲哀を感じやすくなるということです。
私たちが受ける気象や季節の変化だけでも私達の身体は少なからず影響を受け、それがきっかけで病気になることもあります。
「なぜ調子が悪いのだろう」「鬱(うつ)かしら」「いつ良くなるんだろう」と悩む方もおられると思いますが、案外、今の天気や気候のせいであって一時的であり、またしばらくして変われば良くなっていくと捉えると、幾分気持ちも楽になるのではないでしょうか。
後天性の病気や日常突然始まる不調は、必ず何か原因があります。
その原因をまず見つけることがまず第一歩。なぜだろうと不安になっている人に対して、「この症状は○○とか△△が原因ですよ」と言ってあげると、それだけでも気持ちが楽になります。さらに、それをどう変えて対処していけば良いか、道筋を立てることが次の一歩です。
ただ、私達の周りにあるストレスはもちろん気象だけでなく、住む環境、職場や家庭であったり、その中での人間関係や日々のルーティーン、突然起こる変化、毎日何を食べ何を食べないか、体をどれだけ動かしてどれだけ休めているか、など、人によって本当に異なる為、わからないことが多いです。
ですから私達聴く側は、しっかりとその方のお話を聴かせて頂き、原因を探る必要があります。
漢方相談だけでなく心理カウンセリングにおいても、やはりよく聴かないとわかりません。幼少期のトラウマだったり、思いもよらぬ人や物の存在だったり、他者の言葉による呪縛だったりもするのです。
私達はさまざまな常にストレスにさらされています。
自分でなんとか遠ざけることができることはまず遠ざけるとして、お天気やその他自分の力だけではどうにもならないような問題に対しては、各々の対処法を探して身につけていくとともに、ストレスや外からの影響に負けない自分になること。
日頃から心身のバランスを出来るだけ一定保ち、変化に柔軟に対応していくことが、病気を遠ざけるために必要なコツです。