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薬よりも、栄養を

「漢方薬と病院の薬との違いって、何ですか?」

そう質問されたとき、私はこう答えます。

「違いの一つは、栄養があるかないかです」

 

あまりピンとこない回答だと自覚はしております。

果たしてそもそも、漢方薬には栄養があるのか?

 

漢方薬にもいろいろあります。

例えば「発表の剤」というものがございまして、これは「頭が痛い」「節々が痛い」という、いわゆる風邪症状(コロナやインフルも含みます)に対して、汗をかかせて外に発散する作用を持つ漢方薬です。葛根湯などが一般的には知られています。

 

この他には、「和解の剤」「理気の剤」など、計十種類ほどございますが、当店で一番良く使うものは、間違いなく「補養の剤」です。

 

補養の剤とは、身体が虚弱になっているときに、栄養分を与えて補うものです。

身体のどこかに炎症などが起きていれば、それをまず鎮める必要があります。

病院の治療では、抗生剤やステロイド、抗ウイルス薬などを使います。結果、比較的ダメージも少なく収まれば良いのですが、予後が悪いケースがあり、なかなか元の状態に戻らないといったことがあります。

 

では、火を消した痕の焼け野原状態の身体を治すにはどうするべきか。

その為には、栄養を摂って静養するしかありません。

 

ただそれでも上手くいかない場合、何か回復させる手立てはとなったとき、この「補養の剤」の出番となります。

補養の剤は身体の修復に必要な栄養を与えます。

又、食欲がわかないようであれば、胃腸を補養する「人蔘」を使います。

 

これは何も肺炎や食中毒などに限ったことではありません。

常日頃、貧血や生理痛がひどい女性には「当帰(トウキ)」を与え、血液を補います。

 

なぜ当帰に増血効果があるかといえば、当帰には葉酸や各種ビタミン、ビオチンニコチン酸アミドといった栄養素を豊富に含んでいるからです。

ちなみに、ニコチン酸アミドには、肌のバリア機能強化といった働きもあるので、女性にとっては嬉しい美肌効果もあります。

 

ではこの当帰、女性向けの漢方薬「エッキ錠」などにのみ入っているかといえばそうではありません。

当店に常備している漢方薬の中では、神経痛の薬である「ロイルック」や、皮膚炎の薬である「アクトマン」、胃腸炎の薬「フラーリンI」など、実に十種類以上の漢方薬に配合されています。

 

不足しがちな「血液」を、まず増やさなければ、どんな病気も良くならないことがわかっているからです。

 

また、先ほどの「人蔘」につきましても、滋養強壮の薬や胃腸薬だけでなく、風邪薬である「ホノピレチン」にも配合されています。

風邪症状の時こそ、胃腸を保養し、自然治癒力を高めることが一番の近道だからです。