呼吸

つい最近、自宅近くの区民館を借りて「空手道場」を始める人がいると聞いたので、早速子供を連れて行ました。

そこで子供達はいろんなことを体験させてもらっていましたが、それを見ている大人にも楽しめるものでした。

特にぼくが注目したのが、構える際の「呼吸」。

息をしっかりと体に溜め込んだ上で、それを外に力強く最後まで吐き出して、構えの姿勢をとる

空手は真似をしようにも、そもそも足も上がりませんが、この構える際の呼吸については、時々真似してやってみようと思いました。

 

先日カフェでランチをしている時に、大きなテーブルで横並びで食べていたら、向かい側の席に二人組の女性が後から座りました、しばらくして運ばれてきたのは大きなソフトクリームが上に乗ったパフェ。

それを食べ始めた一人の女性が、しきりにゴホンゴホンと咳をし始めました。お店に入った時からもしてはいましたが、パフェを食べ始めるとよりいっそう咳が止まらなくなりました

 

最近「咳」に関する本を読んだところによると、咳が長く続く人が増えていると書かれていました。しかし、なぜ増えているのか、その原因は書かれていませんでしたが、僕の考える「現代人に咳が長く続く人が増えた原因」は、主に二つ。

 

 ① 身体が冷えている(特に胃腸と下半身)

 ② 呼吸が小さい(浅い)

 

咳が続いて治らないようなら、まずソフトクリームやアイスといったものは避けた方が良いでしょう。

「暑い、暑い」と言ってる人がアイスを食べるのは構わないのですが、咳が長引いているような人がアイスを食べると、余計に胃腸が冷えて、咳がますます止まらなくなってしまいます。

冷えたビールや酒類、ジュース類も同様です。

元々身体の丈夫なお酒好きの人も、要注意。若い頃の癖で、冬でも冷えたビールや缶チューハイを飲んでいると、運動不足や加齢によって身体が衰えている為、調子を崩してしまいます。

 

お酒はほとんど飲まない」「冷たいものは日頃から避けている」という、元々あまり丈夫でない方は、身体全体の筋肉が細い為、身体が冷えやすいです。また、心がか細くて緊張しやすい人も、血流が悪くなり身体が冷えてしまいます

 

そんな方には、「呼吸」する筋肉を鍛えることをおすすめします。呼吸の為の筋肉はどこかわかりますか? 

息を吸う時は「横隔膜」、吐く時は「腹筋」です。

 

胃や腸を自分で意識して動かすことはできませんが、肺は横隔膜を中心とした筋肉を意識して動かすことができます。

動かす大きさや速さも自由自在。

 

ですが、普段から意識して動かしている人は稀で、特に昨今、パソコンやスマートフォンなどを長い時間使用している人は呼吸が浅くなり、筋肉が弱っています

身体は筋肉を動かすことで、熱が生まれ、温まります。逆に呼吸する筋肉の動きが弱くなると、体温が低下しやすくなってしまいます。

身体を動かす時間がないとか、動くと疲れてしまうという人は、まずしっかりと呼吸することを意識してください。そうすることで、お腹周りの筋肉が使われ、内臓も温まり、健康な血液が身体中を巡るようになります

昨今非常に増えている、アレルギーや花粉症、咳ぜんそくも、体の冷えや呼吸力の低下が大いに関係していると考えています。

 

呼吸の仕方はあれこれありますが、「吸う時はいくつ数えて吐く時はこう、とか、姿勢はこーであーで」とか、そんなに難しく考える必要はありません。

目的に応じて呼吸の仕方を調整すると良いでしょう。

例えば、リラックスしたいのであれば、ゆっくりと落ち着いて整える。

これは当たり前のことですよね。

お腹をひっこめる目的であれば、例えば「バースデーケーキのろうそくの火を、全部吹き消すイメージ」で。

そうすると、自然に丹田(たんでん:へその下)に力が入り、インナーマッスルを鍛えることができます

禅や武道などの教えでも、「丹田」を意識するといいます。

 

最近になって、呼吸について健康番組や健康本でよく取り上げられますが、サンクロンの開発者「金子先生」は、健康体を創る為に「呼吸」は重要であると、昭和の時代から説いていました。

金子先生曰く、病気になる人は呼吸が小さく、高血圧の人も低血圧の人も同様に、呼吸が小さいとのこと。

金子先生は90歳まで全国各地を回り、呼吸の仕方を含めた「基本生活の仕方」を、説いてまわってました。

 

また、心理学やカウンセリングの書籍にも「呼吸」はよく登場します。

心を病む人や慢性的にストレスを抱えている人は、呼吸が小さくなってしまっている人が多く、身体への酸素の取り入れやガス交換が極めて不十分。その結果、慢性的かつ原因不明の体調不良が続いてしまいます

そういった方にはまず呼吸を促してあげることが良いと、書かれています。

ストレスを感じている時は、ほーっと一息。一息といわず、一日に何回でも。

息を吐く時は息と一緒に身体に溜まったものを吐き出し、吸う時は身体の隅々にいきわたるようイメージして

正しい呼吸をすることで、健康体を創ることができます。

 

 

体が冷えている人、ストレスを溜めている人、痩せない人、逆に痩せている人、身体がだるい人、働きすぎの人、病気がちの人、咳が長引く人、アレルギー体質の人、気分が落ち込みやすい人、声が小さい人、運動不足な人」は、今日からより、呼吸を意識してみましょう。